「scean21、22、26」本番撮影 3/27
本日の参加者 cast:ヒロキ(谷口吉彦) サノ(小川武倫)staff:監督(中島良)音声(宮田睦子)進行(高山夕佳)メイク(加藤貴世・野上郁代)シェフ・音声(赤穂真文)

 
この日もまた気持ちの良い晴天でした。上の画像は新宿の某ファーストフード店にてメイクと打ち合わせの様子です。のんびりとしたスタートでした。
 
準備が整ったので歌舞伎町にあるゲームセンターに移動。そこでゲリラ撮影を開始しようとしたらヤクザの人たちが大挙して押し寄せてきて、パンチングマシーンやキッキングマシーンで遊び始めたので、僕らは硬直して大久保公園へ退避しました。そしたら今度は彼らも大久保公園に来て、バスケを始めました。どうやら彼らのお散歩コースみたいですね。
僕らはゲーム機が置いてある所に戻り、シーン21を撮影しました。このシーンはただ単にゲームで遊ぶだけなので楽に撮影できました。
 
大久保公園の脇の道路にてシーン22。なかなかカメラのアングルなどが決まらずに時間がかかってしまいました。僕的には喧嘩とかの激しいシーンを撮るよりも、普通に歩いて会話するシーンを撮る方が大変なような気がします。
 
このシーンではヒロキはサノに就職活動の悩みやら、社会に対する疑問やらを話すのですがサノは一足早く国家公務員試験に受かっており、そのことにヒロキは強い劣等感を感じるという場面です。

ヒロキは既存の社会体制に取り込まれることに対して強い嫌悪感を抱いています。サノはヒロキよりもこの社会に深く絶望しているリアリストなのでヒロキの青臭い理想論をぶち壊します。僕のシナリオではヒロキとサノの対立はやや曖昧なのですが、谷口さんと小川君の二人の演技のおかげで対立関係がはっきりとして印象深くなり、この作品のテーマがより鮮明になっている感じがしました。テーマは「明日は今日よりも豊かな社会にならない、希望をもてない若者たちの苛立ちと過ち」だと思っています。
さて日が落ちそうになったので、慌てて撮影終了でした。撮影はまだ終わりではありません。先日、シーン26のために居酒屋のトイレで撮影するための許可を取りました。お店の閉店後、深夜3時以降に撮影開始です。てなわけで一旦、解散しました。

シンモン邸にてカレーを振舞ってもらいました。これは旨かった。カレーの画像を撮る前にみんな全部たべちゃいましたから!ごはんを食べつつ、撮影素材を見て、みんなで反省会をしました。
 
深夜一時、再び集合し、板橋駅近くの某居酒屋へ。皆で飲みつつ、打ち合わせをしました。深夜三時半、撮影開始。制限時間は一時間です。
演技的にも、カメラワークもまぁまぁという感じ。危なげなく撮影は完了。
それでも、シンモン邸に戻ると疲れがどっと出ました。
みなさん、お疲れ様です。
急に音声を手伝ってもらって、ありがとうシンモン。
週二日の撮影でも大変ですなぁ、すぐ一週間経ってしまうのだから。
それでは次回もみなさん、よろしくです!!






「scean18、28」本番撮影 3/26
本日の参加者 cast:ヒロキ(谷口吉彦) アミ(秦亜梨沙)サノ(小川武倫)staff:監督(中島良)音声(後藤天)進行(fumiya)メイク(加藤貴世)

 
中島が報告します。この日は稀に見る晴天でした。朝から気持ちの良い陽気で、のびのびと撮影できそうな予感でした。
実はこのシーン18は再撮影だったのです、前回は曇り空の下で撮影を敢行したのですが、いかんせん、空気が冷たくて寒いので役者さんも体がちぢこまって演技に自然さが欠けてしまう。ホッカイロを衣装の下に貼り付けていたくらいでした。てなわけで、再撮影のはこびとなったわけです。
 
左上の画像は一時休憩中のスタッフたちです。僕は靴を脱ぎ、噴水の中に入って撮影したんですが、やっぱり水はかなり冷たかった。右上はメイクを施されている谷口さんです。白い布は肌に潤いを補給するための処置らしいです。最近、僕は映像においてメイク効果は重大だとわかりました。役者がかなり映えます。
撮影は終始和やかに進み、谷口さんも秦さんものびのびと健康的な演技をしてくれました。
 
右上の画像のマンションはアミの家族が住んでいるという設定です。この大きなマンションは庶民風の下町住宅街の中にどーんとそびえたっています。僕にはその様子が下界を睥睨しているように思えます。ヒロキは上昇志向の持ち主なので、うらやましそうにアミの住まいを褒め称えます。しかしアミは「蜂の巣みたいでキモイ。」と切返します。この超高層マンションの内部には見栄やら嫉妬やら、薄汚い優越感やらが渦巻いているんじゃないかと僕は勝手に想像しています。「他人よりも豊かな生活をしてる自分」を実感したい欲望の具体的な場所として、映画的に良い建物だと思います。
撮影が終わる頃には陽は落ちて、みんな心地良い疲労を感じていたと思います。しかしここからが大変でした・・・。
午後6時頃、メイクスタッフの野上さんとサノ役の小川君と合流し、新宿のコマ劇場前のケンタッキーで暗くなるまで役者、スタッフ待機。シナリオに修正を加えたため役者・監督は入念な打ち合わせ、なんか僕は熱く語っちゃいました。予定調和的に演技を考えないでほしい、というような内容を抽象的な語彙を無駄に乱用して、しゃべりちらしてしまいましたが、みなさんまじめに考えてくれて伝わったのです。一方でメイク担当のお二人のメイク談義もかなり盛り上がっていたようです。
 
打ち合わせが盛り上がりすぎて、予定より30分遅れて撮影開始。しかし昼と違って外はめちゃ寒かった。ともかくも、このシーンは怒鳴り合いなどが起こるバトルシーンですから、動いているうちに温まってくるはずと思い、気合いで撮影しました。
 
このシーンは飲み会のシーンの続きで、サノが酔っ払ったアミを言葉巧みにだまして、連れ去ろうとするのですがヒロキが怒ってそれを阻止するという場面です。
左上の小川君の変顔には撮影中の僕も笑わせられました。マイクに僕の笑い声が入って、カメラの画面が小刻みに揺れちゃいました。このシーンは役者はかなり動き回るので追いつくのが大変でした。だんだんとマイクの後藤君とカメラマンである僕の動きの呼吸が合ってきて、良い絵と音が撮れました。
 
撮影終盤、僕らの体力は限界に近づいていました。メイクの加藤さんが細やかなお気遣いで僕らに缶コーヒーとホッカイロを買ってきてくれて、すごく助かりました。午後九時半、めちゃめちゃ寒かったのです。
アミはヒロキの突然の激昂に戸惑い、理不尽さを感じて自分から家に帰ってしまいます。右上の画像の秦さんの瞳は画像だとわかりにくいですがウルウルと、涙目なのです。
ようやく、撮影終了!!
安心したからでしょうか、僕は思わず、ポケットに入れてあったカイロで鼻をかんでしまいました。
この日の撮影には満足でした。みなさん、大変でしたね、お疲れ様です。


「scean23~28」本番撮影 3/19
本日の参加者 cast:ヒロキ(谷口吉彦) アミ(秦亜梨沙)サノ(小川武倫)マリコ(山本愛子)船越(羽柴裕吾)多田(宮脇崇誌)設楽輝之(加藤亮佑)レモン(華沢レモン)ヒトミ(小川仁美)staff:監督(中島良)音声(宮田睦子)進行(太田信吾)メイク(加藤貴世)助っ人(赤穂真文)

 
ついに本番撮影が開始されました。中島が報告します。
この日は昼からメイク担当の加藤貴世さんのお宅にお邪魔して、ヒロキ役の谷口さん、アミ役の秦さん、マリコ役の山本さんにメイクを施してもらいました。やはりメイクしてもらうと映像の映りが映えますね。メイク中の写真を撮っておけば良かったなぁ。一方、僕は広角レンズと魚眼レンズを業者から借りるために四谷をうろちょろと迷っていました。
 
夜から板橋駅の某居酒屋でゲリラ撮影を敢行。この日は出演者の数が多いのと、部屋が狭くて撮りにくいのと、録音のために空調をきってあるので、換気が悪く暑いのとで、僕はめちゃめちゃテンパりました。若者たちのリアルな合コン模様を再現するために二時間ほとんどカットをかけずに、ぶっ通しで撮影しました。上の画像からもわかると思いますが、非常に賑やかでパワフルな飲み会シーンとなりました。僕はこの撮影では演技的な縛りをほとんど設けずに、役者さんに「幹事役」とか「盛り上げ役」とか「いじられ役」って感じの役割分担だけふっといたんですが、成功した部分と不成功な部分がありましたね。飲み会の全体的な雰囲気は理想的なほどにリアルに生まれましたが、ストーリー上で重要になってくる会話や動作に関しては、役者間でコンセンサスが取りずらかったようです。この失敗は非常に貴重なことで、僕は今後の改善点が明確になったので良かった。僕は映画で重要なことの一つに「役者さんの力を引き出す」というのがあると思っています、これは役者さんの演技的な思考パターンを知るということだな、と思いました。一人一人やり易い形が微妙に違うのだと、今回の撮影で結構わかった気がしました。次は克服しますよ!!
さて左の画像は設楽役の加藤さんがレモン役の華沢さんに高濃度のアルコールを混入させたビールを無理やり飲ませる場面です。設楽をはじめとする男たちは女の子を酔わせて、××してやろうという魂胆なのです、悪い奴らですね、はい。男たちのドス黒い欲望と犯罪は飲み会の賑やかで楽しげな雰囲気の中に隠蔽されていて、女の子たちは易々と餌食にされてしまう。その点は上手く撮れています。


 居酒屋でのシーンが終了した後、休む間もなく新宿のコマ劇場前の広場に移動して解散シーンを撮りました。ここは広かったのでに楽に撮れましたし、役者さんたちの演技も自然で良かった。そして広角レンズのおかげで林立するビル群が良い感じで撮れました。右の画像では、酔っ払ったレモンが多田と設楽に連れ去られてしまう場面です。彼らは新宿の夜に溶けてゆき、次の場面(五月に撮影予定)では残酷な暴力が暴発します。
撮影が終わるとすでに終電が消えかけていて、帰れなくなった僕らは赤穂邸に泊まらせてもらいました。そこで料理を振舞ってもらい、非常に嬉しかった。ありがとう。
早速、撮影済みのテープを見て、あれやこれやと意見を言い合って、それはだんだん青春しゃべり場状態になり、朝を迎えました。
長い日だったな~という感じです。みなさん、ホントお疲れ様でした。
次回の撮影もみなさんがんばって行きましょう!!

「scean11,12,40~42,」演技練習
本日の参加者:監督(中島良) ページャ(奥津サトシ) アミ(秦亜梨沙)


右(奥津サトシ)

左(秦亜梨沙)
 


今日は監督である中島がレポート致します。土曜日は西新宿にある柏木地域センターで昼から5時まで練習しました。借りた和室は広く、清潔でした。

最初はページャとアミの出会いのシーンを練習しました。二人は初対面だったからか、演技が少し硬い感じで、とりわけ秦さんは緊張ぎみでした。上の画像からも伝わってくると思います。何度も繰り返すうちに奥津さんは本来の自然さを取り戻したのですが秦さんはなかなか肩の力が抜けず、僕は「なんでできないんだよー。」と監督威力を発揮してしまいました。こーゆー風に行き詰った時、役を交換して演じてもらいます、つまりページャ役を秦さん、アミ役を奥津さんにやってもらうのです。互いに役を交換してみると相手の求めている演技や自分の演技の足りない部分がわかったりする効果があると思います、この手法はサノ役の小川君が以前教えてくれました。
奥津さんは軽やかにアミを演じてくれて、秦さんは帽子がかわいいページャって感じです。この役柄交換により秦さんは何かを掴んだようです。てなわけで次のシーンに移行しました。


このシーンはページャとアミの登校シーンで、二人がキュル(いじめられっこ)の悪口を言い合って打ち解けるという内容です。さっきとうってかわって秦さんは自然な演技が飲み込めたようで、一気にレベルアップしました。奥津さんの返答も上手く、このシーンの二人の会話の構成は非常に自然で表情も良い感じで、僕は「よっしゃ!」と喜びました。

上の画像は後半のシーンで打ちひしがれているページャが酔っ払って帰宅途中のアミをストーカーし、公園に連れ出して暴行しようとする、というシリアスなシーンです。
ページャの暗く危険な雰囲気が結構出ていていいですね、秦さんの寝顔はドキドキしますね。



ページャはアミの首を絞めて殺そうとするのですが、アミが抵抗し、失敗します。
奥津さんはたくさんのアドリブを加えてくれました。嬉しいことです。秦さんも自然な反応をしてくれて良いです。このシーンは僕が思っていたよりゾクゾクしました。

非常に充実した四時間でした、もうちょっと練習したかったです。
奥津さんは以前に僕の作品に出てくれたことがあるので自然な演技ができることはすでにわかっていましたが、改めて良いすね、これからもドンドン新しいアドリブを加えてください。そして秦さんのレベルアップが良かった、これからはもっと厳しくしますよ。いやぁ、本番が楽しみだなぁ。
というわけでお疲れ様でした。






 『Scene 87~90 演技練習』

 本日の参加者:監督(中島良)、ヒロキ(谷口吉彦)、サノ(小川武倫)、音響(そあい恵子)


右(小川武倫)

左(谷口吉彦)
 

 
本日も昨日と同じ板橋の赤穂スタジオにて、PM2:00~PM8:00頃まで行われました。
 
 まずは、監督・俳優3人方の台詞や動きについての解釈の入念な打ち合わせ。
 台本を忘れた(スタッフなのに)という致命傷を負っていた私には到底わけのわからない話が続きます(;;)

 台本上の説明的なセリフに、いかにリアルさとメッセージを込めるかがこの映画の勝負ドコロ。
 監督に対して「言いたい事は解るよ?」が口癖のヒロキさん。
 黙々と台本を読みつづけるサノさん。

 本日は、ラストシーン前後のリハでありました。
 ヒロキが映画を通して自覚してきた自分の平凡さ、力の無さ、最後に出した「普通の人間として生きていく」という決論が、一気にどんでん返ります。


まずはscene87~89.
 車上逃亡生活を送るヒロキの元に、浮浪者として潜伏していたサノが訪れるシーン。
 本質的な会話の前のヒロキとサノの馬鹿話に爆笑してしまいました。
 俳優お二人の姿が監督の影になっていて見えない音声の私にとって、撮影中の会話はほぼ「ラジオドラマ」なのですが…すっごく面白かったです^^。
 監督も声を殺して笑っていたおかげでカメラフレームが痙攣していました。
 が、いざ話の核心になると…
 ヒロキさんは昨日のアミとは全く違う感じで、「オトナ」として現実を見ることをサノに告げ。
 サノさんは段々話を聞いているうちに目が据わっていき(こあいよぉ)…


 そして、暴力シーンのあるs90へ。
 こぉのシーンはかっちょえぇですぜぇ、皆さん。
 一歩間違えたら単純にくさいだけのシーンになるところが…にゃー!!(( o(><)o ))
 お二人がそれぞれかっこ良すぎです。
 しかも不自然さが一切無い。
 っつーかさぁ、ふっつーはさぁ、ヒロキがサノを良い感じに説得して終わるんじゃねぇのぉ?こういうの(笑)


 ますます完成版が楽しみです。(監督への重圧)

 それではっ!お疲れさまっした! 
 

 (担当:ガンマイクの持ち方を勘違いしていたソアイ)

 
『Scene 71~73 演技練習』
本日の参加者:監督(中島良)、ヒロキ(谷口吉彦)、アミ(秦亜梨沙)、音響(そあい恵子)


右(秦亜梨沙)

左(谷口吉彦)
 


板橋の赤穂スタジオにて、PM1:00~6:00頃まで行われました。
まずs71のアミが事件に関してヒロキを電話で呼び出すシーンから練習スタート。中島監督は、途中で止めたりせずにまず1シーンぶっ通しで役者さんの演技を見ます。

そして、実際に演じた役者さんが「どういう登場人物の心情でその行動を起こしたのか」など役者さんと細かく意見を交わしつつ、もう一度シーンを始めから通していきます。同じシーンを何度も通す事によって、段々演技に深みが増していくのが非常に興味深かったです。シーンによってはホラーもあり、泣きもあり…完成版で1パターンしか見れないのが勿体無い程!!

そしてs72~73。
アミにとってもヒロキにとっても、はっきりこの先の生き方が分かれる大事なシーン。
二つの「孤独」がぶつかり合う、非常に痛々しい場面でもありました。
そして、谷口さんもありささんも悩みっぱなし…
 
監督はほっとんど自作の脚本も無視する事を推奨しています。
なので、カメラの前の役者さんは、登場人物に完全になりきって、言葉を発しなければいけません。

休憩になっても入念に役者さんお二人が打ち合わせを続けている中、

監督はおでんを頬張り、私はポッキーをかじり…(あかんがな)

 
何度も繰り返したシーンで、監督がはしゃいではるGoodカットもあれば、ちょっと首をかしげてダメだしを行うカットもありました。
監督がはしゃいでたシーンには、私も「おぉ~っ」っと拍手を送りたくなる程。
本番、そして完成版が非常に楽しみです。

 アリサさん→目力女優!!体調が悪いなか、お疲れ様でした。
 谷口さん→役にずぅーっと入りこみ俳優!!お疲れ様でした。
 監督→おでん。…お疲れ様でした!

 
 (担当:ガンショットマイク片手のそあい。)