「scean18、28」本番撮影 3/26
本日の参加者 cast:ヒロキ(谷口吉彦) アミ(秦亜梨沙)サノ(小川武倫)staff:監督(中島良)音声(後藤天)進行(fumiya)メイク(加藤貴世)

 
中島が報告します。この日は稀に見る晴天でした。朝から気持ちの良い陽気で、のびのびと撮影できそうな予感でした。
実はこのシーン18は再撮影だったのです、前回は曇り空の下で撮影を敢行したのですが、いかんせん、空気が冷たくて寒いので役者さんも体がちぢこまって演技に自然さが欠けてしまう。ホッカイロを衣装の下に貼り付けていたくらいでした。てなわけで、再撮影のはこびとなったわけです。
 
左上の画像は一時休憩中のスタッフたちです。僕は靴を脱ぎ、噴水の中に入って撮影したんですが、やっぱり水はかなり冷たかった。右上はメイクを施されている谷口さんです。白い布は肌に潤いを補給するための処置らしいです。最近、僕は映像においてメイク効果は重大だとわかりました。役者がかなり映えます。
撮影は終始和やかに進み、谷口さんも秦さんものびのびと健康的な演技をしてくれました。
 
右上の画像のマンションはアミの家族が住んでいるという設定です。この大きなマンションは庶民風の下町住宅街の中にどーんとそびえたっています。僕にはその様子が下界を睥睨しているように思えます。ヒロキは上昇志向の持ち主なので、うらやましそうにアミの住まいを褒め称えます。しかしアミは「蜂の巣みたいでキモイ。」と切返します。この超高層マンションの内部には見栄やら嫉妬やら、薄汚い優越感やらが渦巻いているんじゃないかと僕は勝手に想像しています。「他人よりも豊かな生活をしてる自分」を実感したい欲望の具体的な場所として、映画的に良い建物だと思います。
撮影が終わる頃には陽は落ちて、みんな心地良い疲労を感じていたと思います。しかしここからが大変でした・・・。
午後6時頃、メイクスタッフの野上さんとサノ役の小川君と合流し、新宿のコマ劇場前のケンタッキーで暗くなるまで役者、スタッフ待機。シナリオに修正を加えたため役者・監督は入念な打ち合わせ、なんか僕は熱く語っちゃいました。予定調和的に演技を考えないでほしい、というような内容を抽象的な語彙を無駄に乱用して、しゃべりちらしてしまいましたが、みなさんまじめに考えてくれて伝わったのです。一方でメイク担当のお二人のメイク談義もかなり盛り上がっていたようです。
 
打ち合わせが盛り上がりすぎて、予定より30分遅れて撮影開始。しかし昼と違って外はめちゃ寒かった。ともかくも、このシーンは怒鳴り合いなどが起こるバトルシーンですから、動いているうちに温まってくるはずと思い、気合いで撮影しました。
 
このシーンは飲み会のシーンの続きで、サノが酔っ払ったアミを言葉巧みにだまして、連れ去ろうとするのですがヒロキが怒ってそれを阻止するという場面です。
左上の小川君の変顔には撮影中の僕も笑わせられました。マイクに僕の笑い声が入って、カメラの画面が小刻みに揺れちゃいました。このシーンは役者はかなり動き回るので追いつくのが大変でした。だんだんとマイクの後藤君とカメラマンである僕の動きの呼吸が合ってきて、良い絵と音が撮れました。
 
撮影終盤、僕らの体力は限界に近づいていました。メイクの加藤さんが細やかなお気遣いで僕らに缶コーヒーとホッカイロを買ってきてくれて、すごく助かりました。午後九時半、めちゃめちゃ寒かったのです。
アミはヒロキの突然の激昂に戸惑い、理不尽さを感じて自分から家に帰ってしまいます。右上の画像の秦さんの瞳は画像だとわかりにくいですがウルウルと、涙目なのです。
ようやく、撮影終了!!
安心したからでしょうか、僕は思わず、ポケットに入れてあったカイロで鼻をかんでしまいました。
この日の撮影には満足でした。みなさん、大変でしたね、お疲れ様です。